双子の岩井明愛と千怜(ともに20=Honda)が、ツアー史上初めて姉妹で最終日最終組を回る快挙を決めた。姉の明愛は10バーディー、ボギーなしと、大会コース記録を1打更新する62をマーク。通算10アンダー、134で58位から一気に2位に浮上した。妹の千怜は5バーディー、1ボギーの68で通算8アンダー、136と7位から出て3位に順位を上げた。首位を守った14アンダーの山下美夢有(21)とともに、今季のツアーの中心でもある3人が、優勝争いを盛り上げる。

驚異の56人抜きを果たした岩井明が、姉妹で最終日最終組を回る史上初の快挙の立役者となった。10番スタートの“裏街道”から、一気に第2ラウンドの主役に躍り出た。最終9番パー4。パーなら19年大会で田中瑞希がマークした、従来の大会コース記録「63」に並ぶ。残り111ヤードからの第2打を、1・5メートルにつけて10個目のバーディー。新記録を樹立すると、静かにキャディーとグータッチを交わした。

パー72で、これまでプロでは65がベストスコアだった。試合以外を含めても最高は63。それだけに「ベストスコアなのですごいうれしい。このコースで10アンダーは自信になる」と声を弾ませた。昨年大会は千怜とともに予選落ちした大会で、1年後、そろって最終日最終組。今季の飛躍を象徴する結果だった。

出だしからの3連続バーディーで勢いに乗った。10番パー5は第3打を3メートル足らずにつけ、11番パー3は8メートル、12番パー4は4メートルのパットを決めて伸ばした。「パットが入ってくれた。先週もチャンスにつけられたけど、何をやっても入らなかった」。今週は開幕前から連日30分から1時間、3メートル程度のパッティング練習を繰り返した。「3メートルは入れたい距離。入れないと上位にはいけない」。必死の反復練習が本番で生きた。

前週の千怜の今季2勝目が発奮材料だった。昨季は自身が未勝利だったが、千怜は2勝。今季は明愛が4月に初優勝を飾ったが、千怜が5月以降に2勝した。昨季の分を差し引き、今季だけを見ても、優勝回数で逆転された。追いつきたい気持ちがあるか問われると「すごいありますね」と即答。「やっぱり千怜がどんどん勝っていくと焦りがある。自分も勝たないといけないと。千怜に追いつけるように。今週もチャンスなので、チャンスを狙って頑張りたい」。

まずは今大会で、妹に追いつく今季2勝目へ-。史上初の快挙は、最も身近なライバルとの決戦の舞台が整ったことも意味していた。【高田文太】