イングランドが前半からスクラム、ラインアウトと強みを出して主導権を握った。劣勢になりながらも規律を乱さずペナルティーも犯さないNZはさすが。それでも、セットピースで優位に立つというゲームプラン通りに戦ったイングランドが勝ちきった。

SOにファレルでなくフォードを起用したのも、成功だった。イングランドのキックは、どれも素晴らしかった。NZはノータッチキックでアンストラクチャー(陣形が整わない状態)を作りたかったが、イングランドのプレッシャーなどでタッチキックを蹴らされていた。あのNZでも、勝ち続けるのは難しい。

エディー(・ジョーンズ監督)は目標から逆算して準備をするのが得意。今大会も組み合わせが決まった時点で、準決勝のニュージーランド戦をターゲットにしたはずだ。選手の調子はもちろん、すべてのピークを合わせた。完璧とはいわないが、そういう準備をしたからこその勝利だった。(前サントリー監督)