<シッティングバレー日本女子代表 東京プラネッツ女組 波田みか(14)>

 運命なのかもしれません。昨年4月にシッティングバレーに出会い、この1年で人生が大きく変わりました。一般のバレーでは高校までが限界だったかもしれないけど、そんな私が今、日本代表…。自分でもびっくりしています。日の丸を背負う重圧もありますが、毎日が本当に楽しいです。

 小1の時、地元(埼玉・川越市)のスポーツ少年団でバレーを始めました。週4日バレー漬けの生活で県大会にも出場しました。小6の12月に骨肉腫と診断されましたが、「骨肉腫って何?」と病名すら知りませんでした。手術では、右膝部分を人工関節に替えました。

 お父さんのネット検索のおかげで、シッティングバレーの存在を知りました。一時退院の時、所属チームを見学して、足がない人もいるし、ネット(高さ1・05メートル)は低いし「これなら行ける!!」と直感しました。ただ、そんなに甘くはありませんでした。お尻を床につきながらの高速移動は難しく、今でもコツはつかめません。コートも狭いので、アタックが速くて怖いです。

 日本代表には運良く選ばれました。最年少で、倍以上年上の先輩たちと毎週全国で合宿しています。そのおかげもあり、昨年12月の日本選手権(神戸市)では初のMVPをいただきました。神戸には同学年の選手が2人いるので、早く一緒に代表でプレーしたいです。

 来月17日からはリオデジャネイロ・パラリンピックの出場権1枠を懸けた世界選手権が中国・杭州で行われます。海外試合は初めてなので、技術や戦術を盗みたいです。今はリオ大会を控えているため、シッティングバレーの知名度も徐々に高まっていますが、中学校で私が「日本代表」と知っている人はほとんどいません(笑い)。これが障がい者スポーツの現状だし、20年東京大会までにはもっと多くの人に興味関心を持ってもらいたいです。「東京大会でメダル獲得」。この目標を達成するために残り4年を大切に過ごしたいです。身長(162センチ)も伸びているし、自分の可能性や成長に期待しています。

(2016年2月17日東京本社版掲載)

【注】年齢、記録などは本紙掲載時。