初出場の本堂杏実(21=日体大)の大会初レースは、悔しい途中棄権に終わった。スタート直後の斜面入り口でバランスを崩し、3つめの旗門を通過できなかった。「力んで失敗してしまいました。いい経験をさせてもらいました」と言うと、こみ上げる涙をこらえ切れなかった。

 先天性の左全手指欠損だが、幼いころからさまざまなスポーツにチャレンジしてきた。特に5歳から始めたラグビーでは日本代表入りを目指していたが、障がい者スポーツ関係者の勧めでスキーに転向し、1年半で晴れ舞台にたったホープ。「気負わずに気持ちを切り替えて頑張ります」と残る種目で力を発揮する。