逆境で車いすテニスの第一人者が偉業に挑む。

 男子シングルスで3連覇を狙う国枝慎吾(ユニクロ)は右肘が万全とは言えない。それでも「十分戦える。自分自身どこまでやれるか」と自らの底力を信じるように言う。

 肘に違和感を覚えたのはちょうど1年前だった。痛みをこらえながらもプレーしたが、1月の全豪オープンでは自身初の4大大会初戦敗退と屈辱にまみれた。

 状況を打開しようと4月、リスクを受け入れて手術という決断を下した。5月に復帰しても6月には痛みが再発し、7月のウィンブルドン選手権は欠場した。リオ大会の欠場も考えたほど、どん底にいた。

 8月下旬、カナダで行われた国際大会で優勝した。リオ入り後は精力的に調整し「不安なくやれている。十分、試合に集中できる」と言えるところまではこぎ着けた。

 不動の1位だった世界ランキングは5日付で6位に。プライドはかなぐり捨て「金メダルのためには全員倒すつもりでやらないといけない。1回戦から世界ナンバーワンと当たろうが関係ない」と覚悟を示した。