日本女子が前回覇者オランダとの決勝を2分53秒89の五輪新記録で制し、悲願の金メダルを獲得した。

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 佐藤が出遅れた1回戦から優勝を確信していた。3人でカバーしたチームワーク。決勝も日本は序盤から攻め、中盤でオランダに抜かれても焦らない。再逆転し完勝。最後は高木美のスパート力が生きた。まさに理想通りのレース展開で世界の頂点に立った。

 オランダは団体の練習に時間をかけない。1500メートル金メダルのブストは「1週間(3人で)合わせれば勝てる」と豪語していた。確かに練習タイムは徐々に上がっていた。だが日本は年間300日以上も練習を積み重ねた。

 互いを知り尽くすほどの練習で空気抵抗を極限に抑えた滑りを磨いた。究極の理想は背格好が同じ3つ子がムカデレースをするイメージだが、その理想に近づき、見事にオランダをチーム力で圧倒した。(五輪4大会出場、日体大監督)