スポーツ仲裁裁判所(CAS)の反ドーピング部門は22日、検査で禁止薬物のメルドニウムに陽性反応を示したとして、平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)のカーリング混合ダブルスで3位だった「ロシアからの五輪選手(OAR)」のアレクサンドル・クルシェルニツキーを失格にしたと発表した。世界カーリング連盟は妻のアナスタシア・ブリズガロワとのペアで獲得した銅メダルを剥奪、成績を抹消し、4位だったノルウェーが銅メダルに繰り上がった。

 OARは22日の声明で「このペアは銅メダルを国際オリンピック委員会(IOC)に返した」とし、既に韓国を離れたと発表した。

 ロシアの国ぐるみのドーピング問題を巡り、IOCはロシア・オリンピック委員会(ROC)の資格を停止。今大会には検査で潔白が証明できた選手のみ個人資格で「OAR」として参加を認めた。そのOARから失格者が出たことで、ロシアのドーピング対策への信頼性や、参加を認めたIOCの責任を問う声が上がる可能性がある。

 ROCの資格停止処分解除を検討する24日のIOC理事会の結論に影響を与えるかどうかも注目される。

 CASによると、クルシェルニツキーは違反を認め、暫定的な資格停止処分を受け入れたが、故意や過失はなかったとして大会終了後に処分の軽減を求めることができる。