フィギュアスケート日本代表の小林芳子監督(62)は10日、坂本花織(17=シスメックス)が8日から3日間ソウルに滞在し、練習していたことを明かした。前日9日に同監督が「休養している」と事実と異なる説明をしたのは、情報戦の一環だった。

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 他の強豪チームは、日本の選手起用をそれほど気にしているようには思えない。日本は、ペアとアイスダンスが1組しかいないため、隠す対象は複数が出場する男女シングルのみ。男子3人中、宇野はSPを滑っており、フリーはケガ明けの羽生ではなく、田中となることは明らか。女子2人のうち、故障明けのエース宮原を負担の少ないSPとし、勢いのある坂本にフリーを任せるのも予想できる。

 それでも必死に情報を隠そうとするのは、前日まで選手起用について分かる情報を出してはならないという、国際スケート連盟(ISU)のルールを守るためだ。団体が初めて実施された前回のソチ大会では情報管理が徹底しきれず、日本の起用は大会前から分かる状況だった。もともと個人競技のフィギュアスケートにおいて、しかも個人戦前に実施する団体にどれだけ重きを置くかは各チーム、各人で差があるだろう。今回の日本連盟の対応はチームの士気を高め、表彰台を狙っていくという前向きな姿勢の表れでもある。やや疑問の残る情報戦も、意味があったと思える結果を期待したい。【高場泉穂】