ショートプログラム(SP)3位の宇野昌磨(20=トヨタ自動車)がフリー3位の202・73点を記録し、合計306・90点で銀メダルを獲得した。重圧のかかる最終滑走で冒頭の4回転ループを転倒。「笑いがこみ上げた」と頂点を狙う考えを瞬時に変え、大きなミスなくまとめた。

 樋口コーチは得点発表を待つ「キスアンドクライ」で初めて泣いた。銀メダルが確定すると隣の宇野を抱きしめ「表彰台に乗せたい気持ちがあった」と感情をこらえ切れなかった。トップ選手では珍しくコーチと振付師を兼任する。演技前には「やることはやってきたので(力を)出しましょう」と送り出し「練習してきたたまものです」と過程の努力をたたえた。