フィギュアスケートのアイスダンスが、19日のショートダンス(SD)から始まる。日本からは全日本選手権アイスダンス3連覇中、18年4大陸選手権銅メダルの村元哉中(かな、24)、クリス・リード(28)組が出場する。

 男女シングルが注目されるフィギュアだが、アイスダンスはどういう種目なのか? 「氷上の社交ダンス」とも呼ばれるアイスダンスについて、クリス・リードの姉で、クリスとペアを組んで五輪2大会に出場したキャシー・リードさん(30)に魅力を語ってもらった。

 

 -アイスダンスの特徴は

 キャシー・リード(以下リード) まず、男女で一緒に滑ります。ジャンプがないので、より質の高いステップシークエンス、スピン、リフトをすること、そして感情を入れる演技をして得点を伸ばします。表現が大事です。SDではシーズンごとにリズムとテンポが決まっていて、その中から選曲します。今季はラテンのリズム。女性はシングルよりも長めのスカートをはくことが多いです。

 -SDのラテンの音楽に合わせるポイントは

 リード タイミングを合わせて感じることが大切です。ルンバのパターンでレベルを取ることですね。アイスダンスのジャッジは厳しいので100%の演技をすることが必要です。同じエレメンツ(要素)なので、ツイズル(スピンのように素早く回転しながら、男女がシンクロさせて滑っていくターン)、スピン、ステップで高いレベルを取ることが大切です。

 -どのような演技が「いい演技」なのですか

 リード 演技のストーリーを観客に伝えることです。映画のストーリーを表現するカップルも多いです。(村元)哉中、クリス組はフリーダンス(FD)で桜のストーリーを演じるので必見です。スケーターと観客が同じフィーリングを感じられることが、アイスダンスにとっての「いい演技」です。哉中とクリスは、2人で初めてのオリンピックで本当によく頑張っていると思います。

 -2人の息を合わせる秘訣(ひけつ)は

 リード 2人が同じ目標を持つことが一番大事です。毎日練習していくことが大切です。息の合った2人のコネクション、カップルごとのスケートのスタイル、演技の違いを見てほしいです。

 -弟さんのクリス選手と元カップルでした。米国にもシブタニ兄妹が出場します

 リード 私たちは姉弟なので、ラブストーリーはできませんでした。ロミオとジュリエットもできませんでした。クリスと哉中ちゃんは兄妹ではないので、いろいろできますね。ソチ五輪の時とは違うクリスも見られるかもしれません。

 -アイスダンスの魅力とは

 リード 音楽と一緒にカップルが楽しいスケートを表現して、物語に入り込みます。テレビでもっとアイスダンスを見てもらえたらうれしいです。

 

 ◆キャシー・リード 1987年6月5日、米ミシガン州生まれ。モントクレア大卒。米国人の父と日本人の母を持つ。アイスダンスで弟のクリス・リードとカップルを組み、10年バンクーバー五輪17位、14年ソチ五輪21位。世界選手権は8度出場し最高成績は13位。15年4月に引退し、現在は関大アイススケート部のコーチを務める。