平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)の開会式が今日9日に行われる。注目されるのは聖火台への最終点火者。直前まで極秘とされるが、現在最も有力視されるのは、韓国と北朝鮮の代表者が合同で点火する案だ。韓国政府も大会組織委員会も、今回の五輪を「平和(ピョンファ)五輪」とうたっており、実現すればその象徴となる。10年バンクーバー五輪フィギュアスケート金メダルの金妍児さん(27)も有力視されている。

 南と北が手をつなぎ、聖火をともす-。地球上で唯一の分断国家といわれる韓国と北朝鮮の代表者が、同時に点火する案が、現時点で最有力だ。その場面は、平和の象徴にもなりえる。世界へ、平昌をアピールする最高のシナリオだ。

 今回の五輪は、北朝鮮の参加で一気に注目度が増した。韓国国内の政治家も激しい攻防を展開した。当初、政府は「政治を五輪に持ち込みたくない」と、極力コメントを控えていた。しかし最大野党の自由韓国党は「平昌(ピョンチャン)ではなく、平壌(ピョンヤン)五輪」と口火を切り、政府と与党は「平和(ピョンファ)五輪」と応戦した。組織委員会も、平和を強調していることから、南北代表者による点火は、多くの人たちが納得する。

 仮に南北代表者が点火するとして、それは誰になるのか?

 根強く名前が挙がっているのは、世界的に知名度の高い、フィギュアスケートの女王、金妍児さんだ。韓国代表として最終点火者になるか、合同点火者へのトーチの渡し役になるのか、いずれにしても重要な場面で登場することは間違いない。

 さらに南北は50年の朝鮮戦争後、家族や親族が南と北に離れて生活している人たちが韓国だけで6万人以上といわれている。その家族が点火者になることも考えられる。開会式は午後8時にスタートする。【盧載鎭】