国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が16日、冬季五輪開催中の平昌(ピョンチャン)で共同通信のインタビューに応じ、北朝鮮の2020年東京五輪への参加では「IOCとして平昌五輪と同じようにアプローチしていく」と述べ、積極的に推進する意向を明らかにした。26年冬季五輪招致を目指す札幌市については「いいポジションにいる」と高く評価した。

 同会長は、北朝鮮問題では4年前から各国政府の関係者に接触し、情勢を分析してきたとし「東京へ向けても、厳格な政治的中立の立場で同様に行動する」と語った。開会式での韓国と北朝鮮の合同行進や統一チームの東京五輪での実現は「まだ時期が早い。平昌後に対話がどう進むか見守りたい」とした。

 北朝鮮訪問については1月に同国オリンピック委員会から招待を受け、適切な時期を検討していることを明らかにした。

 冬季五輪は次回22年が北京で開催され、札幌は不利との見方が強い。しかし、バッハ会長は「3大会連続でアジア開催となることは影響しない」と述べ「IOCは、26年は冬季競技の伝統を持つ場所で開きたいという意思を明確にしている。(1972年大会を開いた)札幌は冬季競技だけでなく五輪の伝統もある」と話した。

 開催都市を選ぶ2019年のIOC総会で26年と30年を一括決定する可能性は「検討していないが、排除もしていない」と含みを持たせた。

 東京五輪の財政問題ではマーケティング収入が好調なことを指摘し「最終的には収支均衡になると自信を持っている」とした。