韓国と北朝鮮による南北合同チームは主な国際大会では、ともに1991年に開催された卓球の世界選手権(千葉)とサッカーの世界ユース(20歳以下)選手権(ポルトガル)で結成された。平昌冬季五輪(ピョンチャンオリンピック)のアイスホッケー女子に合同チームで出場すれば五輪では初の歴史的な出来事となる。

 分断後初めて統一チーム「コリア」が結成された卓球の世界選手権では、女子団体でリ・ブンヒ(北朝鮮)玄静和(韓国)の活躍などで中国の9連覇を阻んで世界一に輝いた。サッカーの世界ユース選手権もベスト8進出を果たし、両国民を熱狂させた。

 ただ、今回の合同チームは競技力の面で期待はしにくい。最新の世界ランキングでは韓国22位、北朝鮮25位と実力面に大差はない。既に開幕まで1カ月を切っており、付け焼き刃の合同練習では連係を高めることは極めて難しい。

 突然の政治決定に出場機会を奪われる形になる韓国選手は「個人的な考えを言うと、これまで応援してくれた人たちに迷惑が掛かるかもしれない」と半ば口を閉ざしている。南北が国際オリンピック委員会(IOC)などに要請するとみられる特例の登録選手増には、公平性を欠くとして他の出場チームから疑問の声が上がる。

 南北融和への期待感の一方、青瓦台(大統領官邸)の公式サイトには「われわれの選手たちは4年に1度の舞台のために努力してきたのに」などと反対意見も目立ち、国民の声も割れている。(共同)