坂爪亮介(27=タカショー)が5位に入った。準決勝2組3着から回った順位決定戦で1着となり、日本勢として個人の入賞は06年トリノオリンピック(五輪)以来3大会ぶり。強豪国の韓国で武者修行を続け、存在感を示した。

 苦難を乗り越えてきた男が、意地の滑りで入賞した。坂爪は「どうしても結果で(苦戦が続く現状を)変えていきたい思いがあった」と満足感を漂わせた。

 失格者が出た準々決勝など運も味方に勝ち上がり、準決勝は僅差の3着。迎えた順位決定戦で会心のレースを見せた。レース中盤。2番手から「(残り距離で)自分が粘り切れるタイミングで出た」と先頭に躍り出て、快調に引っ張った。最後のカーブはきっちりとインを締めて追い上げを封じ、1着でゴールした。

 前回ソチ五輪はシーズン序盤に右脚を骨折。レースのたびに痛み止めの注射が必要な状態で、精彩を欠いた。その後は世界との距離が縮まらずに思い悩み、16年春にいったん引退を決断。周囲に背中を押されて再び立ち上がり、強豪国の韓国に住み込んで猛練習を積んできた。自分を「雑草」と称する実直な27歳。「ようやく五輪でいいレースができた」と頬を緩めた。