佐藤綾乃(21=高崎健康福祉大)が、自己ベストを更新する会心の滑りで8位入賞を果たした。

 力みのない滑り出しで前半は1周31秒台のラップを刻んだ。後半に入り、時折、苦しそうな表情を見せたものの粘りに粘ってラスト2周ではラップを上げて意地をみせた。

 電光掲示板で自己ベストを更新する4分4秒35。好タイムを確認した佐藤は何度も右手でガッツポーズをつくると満面の笑みでコーチとハイタッチをかわした。

 「ほぼほぼ完璧なレース運びができて自分としては満足しています。緊張はなかったけどトレーナーさんに体を見てもらったら上半身に力みがあった。いつもの大会のようにいつものレースができた。今の調子は今シーズンで1番良かった」。

 冷静な読みも光った。この日、会場入りしリンクの状況を足の裏全体で感じ取った。「観客が入ってリンクが柔らかいと感じた」。氷を捉えやすいという好感触をつかんでいたものの、慢心を心の奥底にそっとしまい込み「ベストを尽くせばいい結果が出る」と自らに言い聞かせた。

 「結果が出て良かった」。終盤までメダル争いを演じた佐藤は、次の団体追い抜きに向けて手応え十分の様子だった。

 高木美帆(23=日体大助手)は4分1秒35で5位、菊池彩花(30=富士急)は4分13秒25で19位だった。

 表彰台はオランダ勢が独占し、カレイン・アクテレークテが金メダルを獲得した。