中長距離のエース高木美帆(23=日体大助手)が悲願の銀メダルを獲得した。

 電光掲示板で表彰台を確認すると天を仰ぎ両目を閉じた。15歳で出場したバンクーバー五輪で同種目23位、ソチ五輪は代表落選。屈辱の日々から立ち上がった苦難の日々をかみ締め、そして喜びを爆発させた。

 最後のガッツポーズをイメージして滑ると公言していた。有言実行。両手を突き上げガッツポーズをつくってみせた。コーチの笑顔に迎えられると、思わずほろりと涙がこぼれた。

 「本当にこの会場まで(応援に)来てくださった方に感謝でいっぱいだし、今までソチ五輪始まる前からいろんな人に支えられてきたので、こみ上げるものがあった。自己最高順位を取れたことに誇りを持ちたい。ここまで、これたことは自分でも自信を持っていける。次の1000とパシュート(団体追い抜き)では今以上のレースをできるように準備したい」。

 表彰台ではセンターポールではなかったものの日の丸を掲げた。「改めて表彰台に立ってみて1番が取れなかった悔しい気持ちもこみ上げてきた時間だった」。負けん気の強い高木が第1目標のメダル奪取を果たし、金メダルに照準を定めた。