【DeNA南場オーナー連載〈3〉】DeNAとベイスターズを結びつけた高田繁GM

「人生のある瞬間をくくり出すときに、そこには野球が入り込んでいる。ある状況を思い出すときに、野球が自然と記憶をよみがえらせる役割を果たす。野球というのは、そうやって深く人生に入り込んでいるんです」

――南場智子(2018年12月13日掲載。所属、年齢などは当時)

プロ野球

2011年(平23)12月、横浜DeNAベイスターズが誕生した。オーナーに就任した春田真が高田繁GMと交わした約束は「3年でCS、5年で日本一」。そして初代監督は、元巨人の中畑清に託した。連日のように紙面を飾るキヨシ節。あらゆるメディアから注目を集めた。

2018年10月、DeNA高田繁GMの退団会見で握手を交わす南場智子オーナー

2018年10月、DeNA高田繁GMの退団会見で握手を交わす南場智子オーナー

南場 中畑さんが、チームが弱かったにもかかわらず、ファンを増やしてくれました。感謝してもしきれない。球団の成長の角度をつくってくれたのは中畑さん。野球というのは勝敗で評価されて、球団は入場者数、ビジネスで評価されるけど、それは間違いだと思います。

監督就任にあたって、球団からお願いしたことは2つ。1つは「情報を発信すること」。特に負けたときも同じように振る舞い、発信することを約束した。2つ目は「ファンサービス」。しかし、言うまでもなく中畑は地で率先してファンサービスをする。自らハイタッチをする姿に、三浦大輔(現投手コーチ)のようなリーダー格も続く。その姿を他の選手が見て学ぶ。

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