【DeNA南場オーナー連載〈4〉】初観戦後の注文は「トイレをきれいにしてください」

「人生のある瞬間をくくり出すときに、そこには野球が入り込んでいる。ある状況を思い出すときに、野球が自然と記憶をよみがえらせる役割を果たす。野球というのは、そうやって深く人生に入り込んでいるんです」

――南場智子(2018年12月13日掲載。所属、年齢などは当時)

プロ野球

2015年(平27)1月、プロ野球界初の女性オーナーが誕生した。南場は就任会見で女性ならではの視点を示す。「(試合観戦した)1日目に言ったことは『トイレをきれいにしてください』と。女性はそういったことに敏感」。そういった女性目線のイベントは、前年から球団が展開。女性来場者に限定デザインのユニホームをプレゼントする「YOKOHAMA☆GIRLS FESTIVAL」が始まったのも、15年からだった。

オーナーに就任して初めてのキャンプ視察。筒香のスイングに見入る=2015年2月1日

オーナーに就任して初めてのキャンプ視察。筒香のスイングに見入る=2015年2月1日

女性オーナーの就任によって、球団が掲げる「継承と革新」がさらに根付き、枝葉へと浸透していく。その波及効果は、球団の枠を超える。オーナー会議はパに比べセの出席率が高い。その理由の1つに、南場の存在を挙げる人間もいる。しなやかな立ち居振る舞いと、オープンマインドな性格。場を和ませ、明るくする。一国一城の主(あるじ)たちが一堂に会すオーナー会議でも、一目置かれる存在となる。

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