【特別編集委員コラム】大好きなBCリーグで〝解説者〟デビューしました!/連載10
記者の本業は、取材をして記事を「書く」ことですが、YouTube中継でゲスト解説をする機会に恵まれました。プロ野球の独立リーグ、BCリーグの神奈川フューチャードリームスが本拠地での試合を中継しているのです。解説者としての奮闘ぶりと、BCリーグの魅力を紹介します。
その他野球
◆飯島智則(いいじま・とものり)1969年(昭44)生まれ。横浜出身。93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。
YouTube中継 記者の経験を語る
恥ずかしながら〝解説者〟デビューを果たしました。
プロ野球の独立リーグ、ルートインBCリーグ、神奈川フューチャードリームスは、本拠地での試合をYouTubeで中継しています。そのゲストに呼んでいただいたのです。
技術解説をする立場ではないので、最初は断りました。しかし、球団の古屋素衛取締役から「ぜひ記者としての経験を話してください」と言ってもらい、チャレンジを決めました。
初めての舞台は4月13日、DeNAベイスターズの2軍との試合でした。神奈川の投手陣は15安打を浴び、なお11四球と大荒れ。1―13と一方的なスコアになり、試合展開を語る内容ではありませんでした。
ただ、山根大明アナウンサーが、WBCの話題や、神奈川を率いる川村丈夫監督の選手時代の話などを振ってくれるので、何とか話題をつなげました。
2度目は、5月31日の信濃グランセローズ戦。
神奈川の石井涼投手(23=三浦学苑―富士大)、信濃の荒西祐大投手(30=元オリックス)の両先発が、立ち上がりから素晴らしい投球を見せ、5回まで0―0の投手戦になりました。
1点を争う好ゲームを実況しながら、これまで取材してきた一流選手たちのメンタル、気持ちの切り替え方などの話題も紹介することができました。いや、山根アナが絶妙なタイミングで話題を振ってくれたおかげです。
結果的に神奈川が1―8で負けてしまいましたが、今回も貴重な経験になりました。機会があれば、また挑戦したいものです。
一貫した理想「地域に根付く」「子どもたちの見本に」
BCリーグとは縁があります。
リーグが発足する前年の2006年(平18)私はNPB担当の記者で、帝国ホテルのタワービルにあったコミッショナー事務局に詰めていました。
ここにBCリーグを運営するジャパン・ベースボール・マーケティングの村山哲二代表(写真)が、リーグ発足のあいさつにやってきたのです。
名刺を交換し、そのまま有楽町に近い焼き鳥店に行って一杯飲みました。このとき村山代表は、熱く理想を語っていました。
「地域に密着し、愛される球団を目指す」「子どもたちの目標に、見本になる選手たちを育成する」
次から次へと出てくる理想を聞きながら、正直私は「そんな理想通りに行くのだろうか?」と冷めた思いで聞いていました。
この2年前、NPBでは近鉄とオリックスの球団統合に端を発する球界再編騒動が起き、理想と現実のはざまで閉塞(へいそく)感が漂っている時期でした。
しかし、BCリーグは発足から17年、今なお、あのとき聞いた理想に向かって進んでいます。村山代表の口から出てくる言葉は、リーグ発足時の当時とまったく変わりません。
「何のために野球をしているかといえば、地域社会に暮らす人と子どもたちのために見本になる存在でいようと、このリーグにいるんです。うちには茶髪や長髪、無精ひげの選手はいません。三振してバットをたたきつけたら、リーグとして処罰します。スポーツを通じて、健全な育成を図る。そして地域の人たち、街の人たちを野球で盛り上げたい。子どもたちの見本になろう。街を活性化させよう。そういう思いで野球をやっています」
数々のトラブル、困難に直面し、それを乗り越えながら、理想を追求していく姿は尊敬に値します。
フューチャードリームス「未来の夢を育む」
解説者として臨んだ試合が終わった後、川村監督に話を聞きました。なかなか勝ち星が伸びず、苦しいシーズンを送っています。
「1度崩れると、持ちこたえられない選手が多いですね。ただ、皆いいものを持っていますし、まだまだ伸びる要素を秘めています。なんとかNPBのドラフトにかかるレベルまで成長してほしいです」
フューチャードリームという球団名は、「未来の夢を育む」という理由からきています。その名の通り、選手たちには本気で夢を追いかけてほしいものです。
野球ファンの方々は、ぜひBCリーグにも注目してください。球場での応援はもちろん、YouTube観戦で、私のつたない解説に耳を傾けてもらえればと思います。
コラム「手帳の余白」
日刊スポーツに「特別編集委員室」が立ち上がりました。取材経験が豊富、かつ表現力が豊かなライター集団。「日刊スポーツ・プレミアム」を中心に、健筆を振るいます。飯島智則編集委員は、コラム「飯島智則 手帳の余白」を随時掲載。どうぞお楽しみ下さい。

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。
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