【スポーツと眼〈2〉】慶応森林監督「未開発の分野だからこそ先行する意義がある」

昨夏の甲子園を制した慶応高(神奈川)が、今年からビジョントレーニングを導入しました。目を鍛え、パフォーマンスをアップするためのトレーニングで、日々のウォーミングアップや個人練習に取り入れています。なぜ、取り入れたのか、森林貴彦監督や主力選手に話を聞きました。

高校野球

10年以上前から興味

なぜ、ビジョントレーニングを取り入れたのか? その理由を森林貴彦監督に聞いた。

「もともと私はビジョントレーニングに興味があって、本を読むなど独学はしていました。もう10年以上前からですね。でも、チームに導入するきっかけがなかったんですが、今回ご提案を頂いたので、やってみようと思いました」

練習を見つめる森林監督

練習を見つめる森林監督

提案したのは、日本スポーツビジョン協会の普及養成担当ディレクター、上坂実氏。最初に講習を受け、「V-Training」という機器を使って各選手のスポーツビジョン能力を測定した。測定内容の詳細は後述したい。

さらに月に1度のペースで指導を受け、その間にチームや各自でできるメニューも作成してもらっている。

「(優勝した昨年の)大村(昊澄)たちの代はメンタルトレーニングを柱でやって、あとウエートトレーニングなど体の方も道筋が定まってきたので、次はビジョントレーニング。私もやりたいと思っていたし、この代の目玉にしたいと思います」

甲子園で選手たちに声をかける森林監督

甲子園で選手たちに声をかける森林監督

ビジョントレーニングに期待するのはどんなところだろうか? どのような効果が出てほしいか?

「スポーツは80~90%が視覚からの情報と言われていますし、特に野球は140キロ、打球だったら150キロのスピードで、あの硬い球が行き交うわけですから、少しでも目の能力を向上する…視覚の能力を向上するのは大事だと思います。守備や走塁での周辺視野も含めて、野球すべての面において向上を期待していますね」

視覚の大切さは分かっていても、実際にトレーニングを取り入れているチームは少ない。

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編集委員

飯島智則Tomonori iijima

Kanagawa

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。