「マダックス」シーズン7度「投高打低」あまりに顕著/物語のあるデータ

「投高打低」の流れは24年シーズンも変わりませんでした。

先発投手が100球未満の投球で完封勝利を挙げる「マダックス」が7度も記録されたのはその表れでしょう。一方で3割打者はセで2人、パで1人にまで減少しました。この力関係なら投手の勝ち星が増えて行くはずですが、最多勝は15勝(菅野智之=巨人)止まりで、前年とほぼ変わりません。そこには近年、100球を目安とする投球が大きくかかわっているようです。

プロ野球

両リーグ3割打者たった3人

西武隅田は、日本ハム伊藤と同じ6月12日にマダックスを達成した

西武隅田は、日本ハム伊藤と同じ6月12日にマダックスを達成した

今年の両リーグ防御率をみると、セが2・88、パが3・04だった。対して打率はセが2割4分5厘、パが2割4分1厘。4打数1安打(2割5分)にも届かない数字だった。これでは3割打者がセパ合わせて3人というのも致し方ないか。

2リーグ制後、3割打者が最も多かったのは04年で36人(セ21人、パ15人)もいた。打率はセが2割7分5厘で、パは2割7分8厘だった。

この年の個人防御率をみると、セの1位が上原浩治(巨人)で2・60、パは松坂大輔(西武)の2・90。ともにリーグ唯一の2点台だったが、今年のセはその松坂の上を行った。「投高打低」の流れは止まらない。

その表れがマダックスの増加だ。

昨年2、一昨年が3。それが今季、7にまで増えた。セでは、ヤフーレ(ヤクルト)に始まり、石田裕太郎(DeNA)、森下暢人(広島)、高橋宏斗(中日)の4人が各1、パでは伊藤大海(日本ハム)が2度、隅田知一郎(西武)が1度やってのけた。

伊藤の1度目と隅田は同日(6月12日)の記録で、これは66年7月3日の石岡康三(サンケイ)、渡辺泰輔(南海)以来58年ぶり。

伊藤2度記録は平井以来21年ぶり

今季2度のマダックスを達成した日本ハム伊藤

今季2度のマダックスを達成した日本ハム伊藤

伊藤のシーズン2度は、03年平井正史(中日)以来21年ぶりと、ひと昔ふた昔以上前の選手名を引っ張り出した。

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徳島・吉野川市出身。1974年入社。
プロ野球、アマチュア野球と幅広く取材を続けてきた。シーズンオフには、だじゃれを駆使しながら意外なデータやエピソードを紹介する連載「ヨネちゃんのおシャレ野球学」を執筆。
春夏甲子園ではコラム「ヨネタニーズ・ファイル」を担当した。