【巨人阿部慎之助監督】半世紀前の伝説・川上哲治氏に重なる退場劇/物語のあるデータ

波に乗れないイラ立ちが蓄積していたのでしょうか。巨人阿部慎之助監督(46)が退場処分を受けました。7月2日の阪神戦、リプレー検証に異議は許されないと知りながら抗議に出ました。巨人監督の退場は、川上哲治監督以来51年ぶりのこと。74年、同監督は7月9日の大洋(現DeNA)戦で判定に激怒し、球審を突き飛ばしていました。球宴を前に、勝率やっと5割で3位に低迷。今年と全く同じチーム状況でした。

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「しちゃいけないこと…申し訳ない」

7月2日阪神戦で、判定を巡り抗議する阿部監督(右)

7月2日阪神戦で、判定を巡り抗議する阿部監督(右)

選手交代を告げるはずがそれだけでは終わらなかった。ベンチを出た阿部監督は山本貴則球審に詰め寄ると、リプレー検証のあとに「セーフ」とした判定に抗議した。

「見た限りはアウトに見えた。森下君は諦めた感じだったので。抗議しちゃいけなかったんですけど、思わずしちゃいけないことをしちゃったので、申し訳ないです」。試合後、阿部監督が報道陣に対応した。

本塁上のクロスプレーに阪神藤川球児監督が「リクエスト」を求めた。0―0で迎えた8回裏2死一、二塁。遊撃を襲う内野安打で二塁走者の森下翔太が一気に本塁に突入した。

甲斐(右)のタッチをよけ右手でホームをさわる森下

甲斐(右)のタッチをよけ右手でホームをさわる森下

滑り込んだものの、甲斐拓也のミットを避けようとして、ベースにタッチできない。それでも諦めない。オーバーランした位置からはいつくばってUターン、体をひねるように右手をベースに突き出した。判定は「アウト」。それがリプレー検証でひっくり返った。

リプレー検証で判定がセーフに覆り、ベンチでぼうぜんとする阿部監督(右から2人目)ら

リプレー検証で判定がセーフに覆り、ベンチでぼうぜんとする阿部監督(右から2人目)ら

この1点で勝負が決まった。首位を行く阪神に5・5差をつけられ、37勝37敗2分けの3位。対阪神は、4勝10敗になった。

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徳島・吉野川市出身。1974年入社。
プロ野球、アマチュア野球と幅広く取材を続けてきた。シーズンオフには、だじゃれを駆使しながら意外なデータやエピソードを紹介する連載「ヨネちゃんのおシャレ野球学」を執筆。
春夏甲子園ではコラム「ヨネタニーズ・ファイル」を担当した。