【カナリア軍団の挑戦】果たせなかった目標 「魅力的に勝つ」に新生帝京は挑む〈5〉

高校サッカー界の超名門、帝京(東京)。戦後最多タイの6回の日本一に輝くカナリア軍団は、冬の選手権で13年ぶりの全国出場と日本一を目指したが、東京都予選準決勝で敗れた。残るもう1つの目標、高校最高峰の高円宮杯JFA U-18プレミアリーグ昇格を目指し、22年12月にプレーオフを戦った。取材歴40年、帝京の黄金時代を知る荻島弘一記者による密着ドキュメントの第5回、最終回。

サッカー

〈サッカー取材歴40年荻島記者が密着:第5回〉

プレミア昇格をかけた一戦、1-2で米子北に敗れた瞬間、ピッチに倒れこむ帝京の選手たち

プレミア昇格をかけた一戦、1-2で米子北に敗れた瞬間、ピッチに倒れこむ帝京の選手たち

選手権は予選準決敗退、プレミア昇格もあと1歩で逃す

ユニホームに10個目の星(全国制覇)を付ける目標を逃しても、帝京の挑戦は続いていた。

世界中のサッカーファンの目がFIFAワールドカップ(W杯)の行われているカタールに向いていた12月中旬、カナリア軍団はもう1つの目標「プレミアリーグ昇格」を目指して広島にいた。

11月5日に選手権東京都予選準決勝で国学院久我山に敗れて以来、気持ちを切り替えて昇格を目指してきた。プリンスリーグ関東1部の残り3試合に全勝。2位を守ってプレミアリーグのプレーオフ(参入戦)に臨んだ。

結果は1回戦で関西1位の興国(大阪)を破ったものの、勝てば昇格の決まる2回戦で中国1位の米子北(鳥取)に1-2で敗れて昇格ならず。初のプレミアリーグ入りは来年以降にお預けとなった。

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1984年入社。スポーツ部でサッカー、五輪などを取材し、1996年からデスク、日刊スポーツ出版社編集長を経て2005年に編集委員として現場に復帰。