危ない暴言、目撃しただけで脳にダメージ…医師指摘/指導者必読の連載〈3〉

スポーツ指導の現場では、なぜ体罰や暴言が続くのでしょうか? 今年に入ってからも体罰によって指導者が処分される事件が後を絶たず、暴行により逮捕される事案もありました。大阪市立桜宮高のバスケットボール部主将が、顧問を勤める教員の体罰を苦に自殺をしてから10年が過ぎ、4月25日には、スポーツ5団体が「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」を表明してから10年という節目を迎えます。指導に携わるさまざまな人々の証言から、あらためてスポーツ指導を考えます。第3回は、体罰や暴言が子どもに与える影響について、精神科医に聞きます。

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体罰や暴言が、子どもにどのような影響を与えるか? きむらメンタルクリニックの木村武登院長(精神科医)に聞いた。

木村院長 体罰、暴言などハラスメントの種類、子どもの年齢など状況によって影響やダメージは違います。また、すべての子どもに同じ症状が出るわけでもありません。その点は理解した上で聞いてください。

最初にそう断った上で、脳のイラストを示しながら続けた。

木村院長 言葉の暴力、暴言の場合、4歳から12歳が影響を受けやすいと言われています。脳の「聴覚野(ちょうかくや)」という部位が変形する、影響を受けやすい。この部位は、他人の言葉を理解して会話をしたり、コミュニケーションを取るときに役割を果たします。ですから影響を受けると、言葉の理解力が低下したり、耳の聞こえ方、さらには情緒的な不安定さに関係してくるといわれています。

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編集委員

飯島智則Tomonori iijima

Kanagawa

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。