「アスリート・ファースト」では「セカンド」は?/指導者必読の連載〈7〉

スポーツ指導の現場では、なぜ体罰や暴言が続くのでしょうか? 今年に入ってからも体罰によって指導者が処分される事件が後を絶たず、暴行により逮捕される事案もありました。大阪市立桜宮高のバスケットボール部主将が、顧問を勤める教員の体罰を苦に自殺をしてから10年が過ぎ、4月25日には、スポーツ5団体が「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」を表明してから10年という節目を迎えます。指導に携わるさまざまな人々の証言から、あらためてスポーツ指導を考えます。第7回は、スポーツ指導における諸問題に対応してきた大体大の土屋裕睦教授に意見を聞きます。

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大体大の土屋裕睦教授は、明確な未来図を描いていた。同教授は、スポーツカウンセリングを専門とし、日本スポーツ協会でコーチトレーナー兼コーチデベロッパーとして指導者育成にも携わってきた。日本スポーツ心理学会の理事長も務めている。スポーツ指導における諸問題に、最前線で対処してきた。

土屋教授 日本のコーチは「免許制」にしたらいいと考えています。国(スポーツ庁)の委託を受けて、日本スポーツ協会や日本スポーツ振興センターなどの法人の管理でもいい。今も公認コーチの資格はあるけど、資格を持たずとも指導はできます。しかし、免許は「持っていないとやってはいけない」という点で大きく異なります。運転免許証を持っていなければ運転できないのと同じように、免許を持っていなければ指導できない形にすべきと思います。

免許制にすることで、どのようなメリットが考えられるのか?

土屋教授 まず、取得する際に最低限の知識を学ぶ場ができます。熱中症のこと、脳振とうのこと…いまだに脳振とうに水をぶっかけている指導者がいるんです。そういった命に関わること、さらには、体罰や暴言に関わる人権の尊重といった最低限の知識を学んだ上で、「コーチをしていいですよ」という許可を与えます。

免許には更新がある。これもポイントになる。

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編集委員

飯島智則Tomonori iijima

Kanagawa

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。