大谷がダルが…侍ジャパンに凝縮されたスポーツのあり方/指導者必読の連載〈11完〉

スポーツ指導の現場では、なぜ体罰や暴言が続くのでしょうか? 今年に入ってからも体罰によって指導者が処分される事件が後を絶たず、暴行により逮捕される事案もありました。大阪市立桜宮高のバスケットボール部主将が、顧問を勤める教員の体罰を苦に自殺をしてから10年が過ぎ、4月25日には、スポーツ5団体が「スポーツ界における暴力行為根絶宣言」を表明してから10年という節目を迎えます。指導に携わるさまざまな人々の証言から、あらためてスポーツ指導を考えます。第11回は「スポーツマンシップ」がテーマです。スポーツの根本とは何か? ジュニア世代に何を伝えていくべきか?

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3月25日、土曜日の夜。都内のレストランには約20人が集まっていた。

日本スポーツマンシップ協会の理事たちと、同協会の講習会を受けて認定コーチの資格を得た人々が交流を図る会だった。

同協会は、スポーツマンシップの普及を目的に2018年(平30)に設立され、各地での講演や講習会など幅広く活動を続けている。

理事で認定コーチの1人に、バレーボール元日本代表の益子直美氏(写真)がいる。益子氏は「監督が怒ってはいけない大会」を開催している。

大会名通りのルールがあり、もし試合中に監督が怒ったら「×マーク」のついたマスクをつけてもらう。バレーボールから始まり、サッカー、ハンドボールと競技の幅が広がっている。

自身の選手時代は体罰、暴言を伴う指導を受け「どうしたら怒られないでプレーできるか」ばかりを考えていたという。さらに社会人チームに入り「自分で考えて練習するように」と言われたら、何もできなかった。指示を受けて動いているだけだと気付いた。そんな経験から大会を始めた。

大会では、試合が終わると選手、指導者、保護者を集めて「スポーツマンシップ」についての講習をする。スポーツでは何が大切か? 何のためにするのか?

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編集委員

飯島智則Tomonori iijima

Kanagawa

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。