【箱根全国化のリアル】立命館に迫る初夏の大一番、一方世間の注目は「出るんやろ!」

全日本大学駅伝(11月5日、愛知)の予選会が、各地区でスタートしている。関西地区では箱根挑戦を表明している立命館大が、6月11日に重要なレースに臨む。関東圏以外の大学にとって全日本は例年、最大の目標でもある。「チャレンジ~箱根全国化のリアル~」として、関西地区予選会に臨む立命館大を追った。

陸上

立命館大のびわこ・くさつキャンパスで練習に励む中田千太郎(手前)

立命館大のびわこ・くさつキャンパスで練習に励む中田千太郎(手前)

6・11全日本大学駅伝の関西予選会

6月11日開催の全日本大学駅伝(全日本)関西地区予選会まで、カウントダウンが始まっている。

全日本は大学日本一が決まる大会。

箱根に挑もうとしている立命館大にとって、全日本の出場権は、関東へ乗り込む前に必ず獲得しなければいけないものだ。

「厳しい戦いになってくると思うけど、出し切れる全力を出し切ってトップ通過したい」

チームの中軸を担う中田千太郎(3年)は、当然のごとく言い放った。

今年のチームは4年生が極端に少なく、長距離パートメンバー23人中2人しかいない。

3年生に命運がかかっているからこそ、言葉に重力がかかっていた。

5月24日。風がなんとも言えないぬくもりを運んでくる季節に、関西インカレは行われた。穏やかな香りが漂うヤンマースタジアム長居。

そんな空気とはうってかわって、1万メートルを走りきった中田は硬い表情で競技場を脱してきた。

5月24日、関西インカレで1万メートルに出場した中田千太郎(右から2人目)。序盤は積極的にレースを進めた

5月24日、関西インカレで1万メートルに出場した中田千太郎(右から2人目)。序盤は積極的にレースを進めた

主力の中田千太郎、関西インカレでの課題

数十分前-。涼やかなユニホームをまとった中田は、心に決めていた。

「順位を狙いに行く」。

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スポーツ

竹本穂乃加Honoka Takemoto

Osaka

大阪府泉大津市出身。2022年4月入社。
マスコミ就職を目指して大学で上京するも、卒業後、大阪に舞い戻る。同年5月からスポーツ、芸能などを取材。