【バレー高橋兄弟連載】7年前の涙が嬉し涙に変わる日~塁と藍の物語〈番外編〉

運命に導かれ兄弟は再び同じコートに立つ。サントリーサンバーズに加入したバレーボール男子日本代表の高橋藍が、兄の塁と同じチームになるのは高校以来だ。いよいよSVリーグが開幕する。母は願う。高校で達成できなかった日本一を2人でつかんで欲しい、と。(「塁と藍の物語」番外編、敬称略)

バレーボール

塁と藍の物語~全5話

兄の高橋塁は色紙に「兄弟で日本一」と書いてくれた

兄の高橋塁は色紙に「兄弟で日本一」と書いてくれた

~番外編~母の思い

もう1度、母の小百合に聞きたかった。

どんな思いでいるのだろう。

兄弟が同じコートに立つのは、あの日以来だから。

もう同じチームでプレーすることはないだろう。

そう思っていたかも知れない。

2人の人生を振り返る。

兄の塁がバレーボールに惹かれ、公園の鉄棒をはさんで日が暮れるまで練習をしたのが初めの1歩であった。

弟の藍は遊びでは公園でボールを追いかけてはいても、なかなか本格的にバレーをしようとはしなかった。

ある日、駐車場にポケモンカードをちりばめた恩師がいた。

それを拾うために車から出てきた藍は、気が付けばコートにいた。

兄がエースで、弟はひたむきにボールを拾う。

高校になると東山のダブルエースとして、あの舞台に立っていた。

2017年11月18日、京都府立体育館(島津アリーナ京都)。

全日本高校選手権(春高バレー)の京都代表を決める男子決勝は、東山と洛南の対決だった。

そう、2人が力を合わせて戦った最後の日。

あれから7年の歳月が流れた。

再び、日本一へと続く道はつながった。

「塁と藍」。運命に導かれた兄弟が歩む、夢へとつながる道である。

2人をそっと見守り、支えてきた母。

家族の絆を描く。

笑顔を見せるサントリーサンバーズ大阪の高橋(撮影・横山健太)

笑顔を見せるサントリーサンバーズ大阪の高橋(撮影・横山健太)

本文残り81% (3096文字/3811文字)

スポーツ

益子浩一Koichi Mashiko

Ibaraki

茨城県日立市生まれ。京都産業大から2000年大阪本社に入社。
3年間の整理部(内勤)生活を経て2003年にプロ野球阪神タイガース担当。記者1年目で星野阪神の18年ぶりリーグ制覇の現場に居合わせた。
2004年からサッカーとラグビーを担当。サッカーの日本代表担当として本田圭佑、香川真司、大久保嘉人らを長く追いかけ、W杯は2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会、ラグビーW杯はカーワンジャパンの2011年ニュージーランド大会を現地で取材。2017年からゴルフ担当で渋野日向子、河本結と力(りき)の姉弟はアマチュアの頃から取材した。2019年末から報道部デスク。
大久保嘉人氏の自伝「情熱を貫く」(朝日新聞出版)を編集協力、著書に「伏見工業伝説」(文芸春秋)がある。