佐賀商業高校と聞いて、高校野球ファンなら、94年夏の甲子園優勝を思い出すのではないか。114期の百武翔(28=佐賀)は同校野球部の出身。OBの三井所尊春(97年夏)、藤田浩人(04年春)はともに甲子園の土を踏んだ。さらに上には選手会長の上滝和則もいる。プロ野球選手を多数輩出している強豪校は、ボートレース界でも名門だ。

名門・佐賀商魂を水面にぶつける百武翔
名門・佐賀商魂を水面にぶつける百武翔

以前、高校野球の取材で、佐賀商の関係者から「あの選手はボートレーサーを目指しているんですよ」と教えてもらった。それが藤田だった。百武に言うと、「それ、今の監督さんだと思いますよ。僕も入ったときからボートレーサーになれって言われてたんですよ。就職希望だったけど、ずっと言われていたので」。監督推薦? がボートレーサーになるきっかけだったという。

百武は2年連続でヤングダービーにも出場したが「最近は流れが悪い」と今期勝率(5月以降)4点台に低迷。しかし、10月大村のニッカン・コム杯では準V。準優では3コースまくりで3連単9万円台の大ホームランをかっ飛ばした。「この1着は僕にとって大きい」。勝負どころの“一打”が復調のきっかけになるもの。A級復帰、さらにその上を目指す姿をしっかりと見守りたい。

◆百武翔(ひゃくたけ・しょう)1992年(平4)12月17日、佐賀県出身。114期生として、14年5月にからつでデビュー。17年7月桐生で初優出。同期は羽野直也、村松修二、中村桃佳ら逸材ぞろい。159センチ、51キロ。血液型A。