2日目の一丸安貴は、さらに余裕しゃくしゃくに見えた。

インタビューの相方が山田圭二から山田二三補に代わり、聞くことを全部、二三補に任せてうなずくだけ。その隣であくせく選手に話を聞く二三補とのコントラストがシュールだった。しかし、デリケートな部分は、カメラが回ってないところでヤスがフォローしていた。

傍若無人に見えても影でフォローするというトップに立つ大事な要素が、さらに憎らしく思えた。


ヤマコウは準決11Rの吉田敏洋に期待
ヤマコウは準決11Rの吉田敏洋に期待

その一丸が、吉田敏洋が勝ち上がったことを誰よりも喜んでいた。

層が薄くなった中部地区を立て直すために、愛知選手会が名古屋競輪場で新人育成プロジェクトを発足した。自転車競技をやる上でネックとなるのが、初期費用がかかること。競技用のフレームに加え車輪やシューズなどを足すと、値段は軽く20万円を超える。その負担を減らし、気軽に自転車競技に取り組み、将来選手になる道筋を示すことが狙いだ。その指導者を敏洋が任された。

彼は面倒見がいいし、率先して練習に取り組むので、彼にとってもいい刺激になるだろう。けがに苦しんで思うようなパフォーマンスを出せないことにジレンマもあるだろうが、競走得点は105点まで戻した。

中部地区の重鎮として、どっしり構えてほしいという気持ちが私にはある。しかし、準決11Rで古性優作と一緒の番組が出た途端に「古性詣で、してこよー」と、そそくさとその場を後にしようとしたので「おい!」とだけ言っておいた。古性を差して中部の威厳を保ってくれ! (日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの印】◎吉田敏洋 ○古性優作 ▲野田源一 ☆福田知也 △片岡迪之