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3連覇の東レに敗れ、マーヴェラス準優勝

<Vプレミアリーグ女子 ファイナル:東レ3-0JT>10日◇東京体育館

 2連覇中の東レとの対戦となった決勝戦。今シーズン、開幕25連勝し、圧倒的な強さを見せつけたJTが、最後の最後で涙を飲んだ。

 レギュラーラウンドは26勝2敗の1位。1週間前に行われたセミファイナルも3戦全勝の1位で決勝進出を決めた。「優勝するイメージはできていた」と、セッターの竹下佳江は言った。

 決勝戦、出だしはよかった。正確なサーブレシーブから、竹下が速攻、レフト、ライトと速いコンビを繰り出していく。位田愛、山本愛のサービスエースもあり、JTがリードを広げた。エースのキム・ヨンギョン(韓国)も、東レブロックの上から悠々とスパイクを決めていた。

 しかし第1セット中盤から東レのサーブが走りJTのサーブレシーブが崩れ始めた。東レはJTの攻撃を拾って切り返しのスパイクを決め、逆転。JTはキムのスパイクでデュースに持ち込むが、最後もサーブレシーブを崩されて連続失点し、26−28で第1セットを落とした。

 東レは、キムを封じることが勝つための最大の鍵だと考えていた。「うちはこれまで全くキム選手に対応できなかった。JTの攻撃の2本に1本はキム選手に上がるのだから、そこを何とかしなければ」と東レの菅野幸一郎監督。万全の体勢でスパイクを打たせないために、サーブやスパイクでキムを狙い、「スパイクに入るまでにキム選手がボールを触る回数をできるだけ増やそうとした」と東レの木村沙織。また、ブロックとレシーブの関係を明確にし、キムのスパイクが抜けてくるであろうコースにはレシーブが得意な選手を配置するなどのシフトを組んだ。

 その東レの作戦がじわじわとキムの攻撃力をそぎ落としていった。第2セット以降、キムのスパイクが拾われる場面が増えた。速いコンビを使おうにも、サーブレシーブが安定せず、いつものリズムをつかめない。主将の位田が難しいスパイクを決めるなど気を吐いたが、流れは変わらなかった。第2、3セットは一度もリードを奪うことなく連取され、敗れた。

 「優勝するイメージはすごくできていたんですが、現実はそううまくいかないもので、今日はマイナスな要素がたくさん出た試合だった。ここまで戦ってきて、最後、ここで1勝が獲れないという情けなさを痛感しています」

 竹下はそう言って、ぐっと唇を噛んだ。

 キムは、「東レは3年連続の決勝。経験というものは無視できないと思う」と語った。石原昭久監督も、「やはり2連覇している東レの選手たちは場数を踏んでいる。この大きなステージでも気後れすることなく自分たちの力をボールにぶつけられた。逆に我々はなかなか思い切ったことができなかった、という違いがあるのではないか」と分析した。ここ一番での勝負強さで、今年は東レが勝った。

 理想的なバレーを実現しているように見えた今シーズンのJTだが、まだ課題と、伸びしろがあるということだ。その足りなかったものを全員で埋め、来シーズン、再び栄冠に挑む。

 [2010年4月10日21時3分]


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