「想定していた最悪を上回る最悪」「ここまで酷いと思わなかった」「もうダメです」「今日はどうしようもない」。レースを終えた川内優輝(33=あいおいニッセイ同和損保)の口からはネガティブな言葉ばかり続いた。その声は沈みきっていた。

1万メートルで30分17秒61。暖かい日差しがまぶしく、風もあって、記録を出すには厳しい気象コンディションだったとはいえ、悪すぎた。中盤からスピードに乗れず、前の集団からこぼれ落ちた。「垂れてから、すごくきた。粘れなかった」。レース直後はガックリと力なく、下を向いた。1万メートルの自己ベストは29分2秒33。今季はスピードを重視しながら、取り組んできた。調子は「悪くなかった」と「29分30秒」は狙えると考えていただけに、ショックも大きかった。

12月6日には福岡国際マラソンが控える。「調整も考えないといけない」と何とか前を向いた。