陸上男子400メートル決勝で中島佑気ジョセフ(24=富士通)は、日本勢40年ぶりの金メダルを逃した。

トップのタイ選手から0秒32差の45秒22で銅メダル。1986年ソウル大会の高野進氏以来6度目の金に届かなかった。

レース後、椅子に腰掛けると、編み込んだヘアスタイルの頭を抱えていた。

「本当にふがいない結果で終わってしまった。金以外考えられなかったので、本当に悔しい」

雨のファイナルでスタートからつまずいた。今季は200メートルにも出場し、前半のスピード強化に注力。しかし、「出だしがちょっとダメでした」。

バックストレートで他国の選手が徐々にペースを上げる中、中島だけスピードが上がらない。

最終コーナーに入った位置も最後尾の8番手付近。そこから持ち味の直線スパートでなんとか5人を抜いてゴールした。

25日の予選は組2着で決勝進出。しかし、レース前から体調不良になっていたことを明かした。

「自分のレースのイメージも全然まとめられないまま後手に回ってしまって。ちょっと決勝は修正できるかなと思ったけど、全然ダメで。400メートルは難しい」

いつも見える背中が小さく見えた。

8月のスイス・チューリヒのレースで今季自己最高の44秒62をマークし、自身の日本記録ま0秒18に迫った。しかし、今月のアルティメット選手権(ブダペスト)は5着に沈んだ。

「チューリヒの時はすごく良くて本当に調子が良かっただけにうまくつかんだ感覚が全く生かせていなくて、ちょっと本当に今年は不安定だな」。

調子の波を悔やんだ。

昨年9月の世界選手権東京大会では日本新記録(44秒)&日本最高成績の6位入賞。しかし、32年ぶりの国内開催となったアジア大会は厳しいメダルの色となった。

中島は悔しさをかみしめながらもこう言う。

「東京から1年後にまた自国開催の国際大会で走れたのはすごく良かった。今回があまりいいパフォーマンスをお届けできなかったのはふがいなさを感じる。また国際大会が東京なり、どこか日本であればうれしい」。

個人種目での挑戦は理想に描いたものではなかった。それでも、28日の1600メートルリレーに向けて思いを新たにする。

「今日できなかったことを修正して、マイルの決勝では自分らしい走りをしたい」

昨秋の東京は雨、そして今年の名古屋も雨だった。だが、「雨はそんな別に苦手ではない」。3度目の大舞台は祝福の雨を浴びる。

【泉光太郎】