女子プロゴルファー永井花奈(23=デンソー)が「アベ100切り」のポイントを教えるレッスン。今回は夏ラフの状況判断と打ち方です。芝が元気になるこの時期、アマチュアゴルファーには厄介な要素でもあります。夏ラフに負けない攻略法を紹介します。

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こんにちは、永井花奈です! 今回は夏ラフの状況判断の仕方と打ち方についてです。この時期の芝は青々として元気いっぱいです。これは、冬の枯れた芝に比べて抵抗が強くなるということですよね。夏ラフで私が心がけていることを紹介します。

クラブは短く持つ
クラブは短く持つ

まずは状況判断ですが、例えば、ボールが芝にすっぽり埋まっている場合ですが、ポイントは芝の長さではなく、密度なんです。芝は密度が高いと真っすぐ伸び、低いと寝る傾向があることを覚えておくといいでしょう。また、ボールが埋まっていてもそれが芝の根元なのか、葉先に近いかを確認してみてください。根元の方が芝の抵抗が大きく、葉先は小さくなります。

密度が高い場所でボールが根元まで埋まっている場合が一番難しいのですが、そのような場面での打ち方を紹介します。芝の抵抗が強くなるため、クラブはいつもよりも短く持って、しっかりボールに当てたいので、あまり大きく振らず、フルスイングとハーフスイングの中間くらいにしています。

厄介な夏ラフ
厄介な夏ラフ

クラブ選びについては、一概には言えませんが、私は7番アイアンからしか入れていないので、7番で打つならフェースは開き気味で構えます。これは抜けを良くするためです。番手を下げてもいいかもしれませんね。とにかく、コンパクトスイングでしっかりボールに当てるということが重要です。

ラフの場合、フェースとボールの間に芝が挟まり、スピンがかからずにボールが飛びすぎてしまう「フライヤー」が起こる可能性もあります。この判断ポイントは、ヘッドを振り抜けるかどうかです。振り抜けなければフライヤーは起きません!

夏ラフは確かに厄介ですが、状況判断さえできれば攻略は可能です。参考にしてみてくださいね!

◆フライヤーとは? クラブのフェースにはスコアラインと呼ばれるミゾが刻まれています。このミゾがボールと接触することで、ボールにはスピンがかかります。フライヤーは、このミゾとボールの間に何かしらが挟まることで、ボールにスピンがかからず、いつもの距離よりも飛びすぎてしまうことです。これは芝に限らず、水でも起こります。厄介なのは、その幅が読めないこと。しかし、永井プロが言うように、ヘッドを振り抜けるかどうかで、フライヤーが起こるかどうかの予測はできます。

夏ラフに負けない打ち方
夏ラフに負けない打ち方

◆サザンヤードカントリークラブ(茨城・城里町下古内776) 「水の小林」と呼ばれる小林光昭氏の設計による自然の地形と樹木を生かした林間コース。アップダウンは少ないが、池とバンカーが巧みに配置され、ベントグリーンも絶妙なアンジュレーションで戦略性に富む。8番の3段の滝、9、18番の景観は見事。さらに大野正幸副支配人は「ティーグラウンドがフルバックからレディースまで5つあり、トップアマから初心者まで楽しめます。フェアウエーでもカートを使えます」と話す。水戸インターから車で10分、JR常磐線友部駅から車で25分。

◆永井花奈(ながい・かな)1997年(平9)6月16日、東京都生まれ。16年7月、プロテスト合格。17年にツアー初優勝を果たすと、賞金ランク20位に入りシード権を獲得。昨年も36位で3年連続のシード権確保。所属はデンソー、契約クラブはヤマハ、ボールはタイトリスト、ウエアはMARK&LONA、シューズはecco。趣味は映画観賞。155センチ、55キロ。

◆取材・構成 川田和博

◆撮影 山崎安昭

◆協力 サザンヤードCC(茨城・城里町)