15日に開催された国内ツアーのシニア、男子、女子の対抗戦、日立3ツアーズ選手権で、めったに見られない選手とキャディーの組み合わせが実現した。男子ツアーの石川遼(28=CASIO)のキャディーを女子ツアーの永井花奈(22=デンソー)が務めたのだ。

今季、なかなか思うようなゴルフができず賞金ランク36位に終わった永井に、石川が「3ツアーズでキャディーやってみない?」と声を掛けたのがきっかけだった。永井は、オフに石川と一緒にトレーニングをする仲で「普通に『空いているか?』って聞かれたので、何のことかと思ったらキャディーだった。やってみたかったけど、まさか初キャディーが遼君になるとは思わなかった」と笑った。

石川は、3ツアーズで渋野日向子(21=RSK山陽放送)鈴木愛(25=セールスフォース)の女子ツアー最強コンビとラウンド。「彼女は今年思うようなシーズンを送れなかったけど、それでも36位。(ラウンド中に)ボクと話したりする中で、ヒントになることもあると思う。花奈ちゃんにプラスになれば。渋野さんや鈴木さんのプレーを見て参考になったと思う」と、キャディーを頼んだ真意を打ち明けた。永井の初キャディーについても「初めてなのに、堂々としていた。途中から完璧だった」とたたえた。

永井も最初は「やらなければいけないことが次々にくる。すごい難しかった」といいながら、懸命に務めた。ラウンド中は石川とも会話を交わし「いいところからいろんな選手のプレーが見られた。私を誘ってくれた遼君はすごいと思う」と感激していた。

選手会長2年目の今年、石川は最終戦の日本シリーズJT杯で優勝するなど今季3勝。さまざまなファンサービスで盛り上げ、自身のゴルフでも男子ツアーを盛り上げた。永井に声を掛けたのは、日本シリーズJT杯の前だったという。大一番の前に、ゴルフ仲間の後輩への気配り。28歳82日で史上最速の10億円突破という大記録を達成した石川だが、これからも日本ゴルフ界を引っ張るリーダーとして活躍してほしい。【桝田朗】(ニッカンスポーツ・コム/ゴルフコラム「ピッチマーク」)

日立3ツアーズ 2nd・2番、ティーショット後、移動する、左から石川遼、鈴木愛、渋野日向子(2019年12月15日撮影)
日立3ツアーズ 2nd・2番、ティーショット後、移動する、左から石川遼、鈴木愛、渋野日向子(2019年12月15日撮影)
石川遼(左)永井花奈
石川遼(左)永井花奈