<男子ゴルフ:カシオワールドオープン>◇3日目◇28日◇高知・Kochi黒潮CC(7300ヤード、パー72)◇賞金総額2億円(優勝4000万円)

 石川遼(18=パナソニック)が、ついに最年少賞金王に王手をかけた。逆転賞金王を目指す片山晋呉(36)と同組対決となったこの日、68で回って通算14アンダー202で首位タイに浮上し、74をたたいて13位に後退した片山を突き放した。29日の最終日に、首位で並ぶ米ツアー3勝の丸山茂樹(40)昨年大会覇者の小田孔明(31)との最終組対決を制し、賞金ランク2位でこの日21位の池田勇太(23)が7位以下なら、「キング遼」が誕生する。

 今季5勝目へ、賞金王決定へ、石川が大きな関門を突破した。この日は「日本NO・1とみている偉大な人」「今まで一番緊張したのは、2年前の日本シリーズで片山さんと初めて回った時」という相手と、決勝ラウンドでは初の同組だった。それも賞金ランク3位の片山は、逆転での2年連続6回目の賞金王を狙ってやる気満々。そんな直接対決に「完勝」した。

 5番パー5の3パットでリズムを崩した片山と対照的に、重圧に押しつぶされることなく、自分らしいゴルフを貫いた。10番パー5では323ヤードのビッグドライブ、3番アイアンでピン手前3メートルに2オンさせ、イーグルを逃すも楽々とバーディーを奪う。3オン2パットでパーがやっとの片山をこの時点で2打リード。12番ではこの日初めてパーオンを逃すピンチにも動じず、グリーン奥から「思い切って振り抜けた」という会心の1打がチップインバーディーとなった。

 終わってみれば68で首位浮上だ。2年前の初対決では74をたたき、66の片山に力の違いを見せつけられたが、今回は立場逆転。2年間の成長を、18歳が「それだけたくさんの経験を積んだ実感がある」と言う。池田が7位以下という条件付きながら、今大会優勝での賞金王決定がグッと現実味を帯びてきた。

 「最後の関門」も難敵が並ぶ。丸山茂と小田孔。9歳の時、丸山茂の米ツアー初優勝をテレビニュースで見て、「(ジュニアの)みんなと、将来は丸山さんのようにアメリカで活躍したいね、と話していた」というあこがれの人だ。当時は「丸ちゃん」と呼んでいたが、「今はもう言えないです」。小田孔とは予選ラウンドで同組で「本当にスキがない」と警戒する。デッドヒートは必至。「18番パー5は軽い逆風でも2オンできる。18番ティーで2打差以内なら分からない。それまではあきらめない」。

 実は初日終了後から風邪気味だ。ゴルフに影響はないが、少し鼻声。実力者との直接対決を制して、賞金王決定なら抜群に格好いいが…。「その時に鼻声だったら格好悪いでしょ。治すようにしたい」と笑いを誘った。心配の種は鼻だけのようだ。【岡田美奈】