日本男子初のメジャー制覇を狙う世界ランク2位の松山英樹(25=LEXUS)は4バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの72で回り、通算イーブンパーの140で首位と6打差の10位につけ、決勝ラウンドに進んだ。

 強烈な雨と風にさらされたリンクスを象徴するラウンドは、途中10分ほどの中断を挟んで5時間を超えた。「しんどかったです。みんなもしんどかったんじゃないですかね。今日中に終われて良かった」。ホールアウト直後は、同組の全米オープン覇者ブルックス・ケプカ(米国)と笑顔で握手も交わした。

 ティーショットを打った後に雨脚が強まった6番でボギーが先行。それでも、7、8番ですかさず連続バーディー。特に8番は風が収まった好機を逃さず、第2打をピンにしっかりと絡めた。首位と1打差で迎えた9番グリーン上で中断。再開後、バーディーパットがわずかに外れると、ティーショットが右にブレ始める。力自慢のロリー・マキロイ(英国)でもグリーンまで届かなかった右のバンカーに捕まった10番に続き、11番でもボギー。強烈なアゲンストで、この日最も難しかった13番もパーオンできずスコアを落とした。

 グリーン上で耐えた。第2打を打った瞬間にうなだれた16番では、8メートルを見事に流し込んだ。「16番で入ってくれたので、そのまま終わりたかったですけど…」。17番は第2打を左に引っかけ、ブッシュ近くからの第3打はテークバックも満足に取れない状態。何とか目の前の土の上には出したが、第4打をグリーンの奥に外してダブルボギーをたたいた。ただ、最終18番はラフとバンカーを渡り歩きながらパーセーブ。「あれをボギーにしてると、だいぶ気持ち的にも落ち込んで明日を迎えることになる。最後のパーは良かった」とうなずく。予選2日間で3パットがない。

 プレーの総括は「微妙ですね。良かったと言えば良かったですし、もう少しできたかなって感じはありますけど…」。例によって満足するはずもないが、首位ジョーダン・スピース(米国)とは6打差で踏みとどまった。「悪い位置じゃないんで、いいかなと思います。トップの6アンダーっていうのは、なかなか落ちてこないのかなという感じはある。(天気次第では第3ラウンドで)しっかりと4アンダー、5アンダーくらいを目指していきたい」。終盤の底力には定評のある松山。上位のライバルたちからも脅威として認識されているはずだ。