塚田陽亮(32=ホクト)が、5位タイ決定戦で池田勇太(31)との同学年対決を2アンド1(1ホールを残して2アップ)で制した。

 勝負を決めた17番では、残り128ヤードの第2打をピッチングウエッジでピンそば1メートル弱にピタリ。「最後に“今日イチ”でした」と笑った。昨年6月のツアー選手権森ビル杯で初優勝を飾ったものの、今季は13試合で予選落ち10度と苦しんできた。球筋をドローからフェードに戻したことで「(きっかけをつかむのに)1年くらいかかりましたけど、ストレスなくゴルフができている」。手応えを深める5位フィニッシュとなった。

 復調には、この日の相手である池田の存在も大きかったという。前週久々に予選を通過したフジサンケイ・クラシックでは最終日を同組で回った。「オレと一緒に回ったから」と笑っていた池田の言葉に「それも一理あるんです」とうなずき「終わった後のちょっとした会話がヒントになっていたりするんですよ」と続けた。

 塚田が池田を知ったのは小学校の時までさかのぼる。家族ぐるみで付き合いがあり「クマ」「ユウタ」と呼び合う仲だ。「小学6年でセカンドバッグを持ってましたからね。歩き方も、もっとがに股で。打つ時もロングティーを“チョイざし”で、ホントにジャンボさんみたい。僕はガキの頃、もっと太っていたから『クマ』って呼ばれていたんです」と懐かしむ。

 アマチュアの頃から世代をリードし、プロでも活躍し、昨季は賞金王にまでなった池田への尊敬の念はずっと変わらない。「僕ら昭和60年生まれの代は、みんな勇太の背中を追いかけて、いつか追い抜いてやると思ってやっている。今日勝てたのはうれしいけど、差は縮まっていない。年を取っていく中で、少しでも詰めていけたら」。気持ちを新たにする一戦となった。