松山英樹(25=LEXUS)が自ら「最低限」と定めたラインをクリアした。5バーディー、2ボギーの69で回り、通算3アンダーの141で首位と8打差の33位で決勝ラウンドに進んだ。

 松山は後半12番のボギーで通算1アンダーに後退した。「嫌でも気になる」とカットラインに足をかけた状態でのプレー。15番で7メートルを沈め「すごく大きかった」とうなずくバーディーで貯金ができると、最終18番もバーディーで締めた。「少しもどかしい時間はありましたけど、前半と最後の方のショットは良かった。(予選で)落ちなくて良かった」と素直に言った。

 フェアウエーキープ率は前日の42・86%から64・29%、38・89%だったパーオン率も61・11%まで上昇。兆しの見えたショットについて「(スイングを)変えたという感じじゃないけど、昨日とは(やっていることが)別物」と表現する。試合で出たミスを「ちょっとしたことでうまくできなくなったり、意識したところを忘れたり…。そういうところで乱れたりする」と分析し、原因を消化して1日で修正のメドをつけた。

 18番の第2打直前にサンディエゴが地元の同組ミケルソン(米国)を応援するファンが急に大声を発して騒いだが、冷静に仕切り直して第3打勝負の距離にレイアップ。最後のバーディーにつなげた。16年フェニックス・オープンでは「USAコール」の中、ファウラー(米国)とのプレーオフを制した。「(国別対抗ではない)個人対個人なのに『USAコール』が起きるんだから奇跡だよね」と笑って振り返ったことがある。異国で頂点を争い、着実にずぶとくなっている。

 「4日間やって残り2日が悪かったらストレスがたまるけど、落ちることはもっとストレスがたまる」。最大のストレスは回避し「とりあえずショットを修正したい」と、人もまばらな夕暮れの練習場で打ち込んだ。【亀山泰宏】