【サウサンプトン(米ニューヨーク州)12日(日本時間13日)=益子浩一】世界ランク10位の松山英樹(26=LEXUS)が、日本男子初のメジャー制覇へ万全の状態で臨む。全米オープン選手権は今日14日、シネコックヒルズGC(7445ヤード、パー70)で開幕する。この日、練習ラウンドをこなした松山は「風」「ラフ」「傾斜の強いグリーン」の3つを警戒。昨年2位から頂点へと上り詰める。

 北大西洋に浮かぶ半島に位置するコースには、強風が吹く。草原のようなラフは膝上まで茂り、グリーンの傾斜は波のようにうねる。晴天に恵まれた開幕2日前のこの日、1番からのハーフを回った松山は風とラフ、グリーン周りを入念に確認。ラウンド後もショットの練習をこなし、日本男子初のメジャー制覇に向け、万全の状態に仕上げていった。

 「フェアウエーは広いけど、外したら大変なことになる。100%いけばチャンスは増える。逆に50%ならピンチばかりになる。風次第ですね。グリーンも傾斜がすごい。スピードはまだ出ていないけど、硬そうですね」

 全米オープンは初出場の13年に10位、昨年は80年青木功と並ぶ日本人最高位の2位。優勝への期待は高まり、米ツアーの公式サイトでは優勝予想の11番手に挙がった。この日は04年に同じコースで4位に入った丸山茂樹が練習ラウンドに同行。松山は「特に…」と内容は明かさなかったが、会話をしながら同じ目線で歩いた。

 「全てがうまくいかないと勝てない。完璧なゴルフはそう簡単にはできないと思う。でもその場、その場でベストな選択をする」

 今季は2月に左手親指付け根を痛め、調子を落とした時期もあった。「(痛みは)もうないですね」。予想スコアも「見えません」。コースの相性については「(自分に)向いていると思われるなら、それでいい」。けがの回復とともに自信を取り戻し「気持ちだけは前向きです」。開幕が待ち遠しくて仕方がない。