ツアー通算20勝の池田勇太(32=フリー)が、自身初の2週連続優勝に王手をかけた。首位と4打差3位から出て4バーディー、ボギーなし。3日連続の68で回り、通算12アンダーでJ・パグンサン(40=フィリピン)と並び首位に浮上した。現在賞金ランク3位で、大会初勝利を挙げれば1位浮上の可能性がある。2年ぶり賞金王へ加速する。

スコアが良ければ機嫌もいい。3日連続でスコアボードに68を並べ、首位に浮上した池田は冗舌だった。

「たまたま数字がそろったな。しかも3日とも(ハーフ)33と35しかないんだ。台風の中でゴルフをして、明日も68を出せんのかな? 勝ちゃあ、カッコイイだろうね。でもまだ勝ってもいないのに、2週連続Vとかは、言えねぇな」

前週のダイヤモンドカップでツアー20勝目を挙げたばかり。2週連続優勝なら自身初。ツアーでも16年谷原秀人以来となる。好調を持続し、2番パー5で第3打をピンそば50センチにピタリとつけて最初のバーディーを奪うと、9番パー4でも約7メートルのバーディーパットを沈めた。光るのは悪天候でも2日連続のボギーなし。

「ショットはずっといいね。最後は雨が強くなってきたから、耐えながらのパーで、いい感じだった。ノーボギーが良かったよ」

いつものように、コースを熟知していることを理由にハウスキャディーを起用。その斉藤さつきさん(36)が、雨でずぶぬれになっている姿が気になった。

「ハウスキャディーはカッパを着られないらしいんだ。かわいそう。風邪ひいて俺のキャディーができなくなったら、どうすんだ」

時には無愛想なこともあるが、女性には優しい池田はそう訴えた。今日30日の最終日は、台風24号接近による影響が心配される。中止の場合は、首位で並ぶJ・パグンサンとのプレーオフだけ開催の可能性もある。「明日も明日のベストを尽くす。それだけだ」。悪天候の大会でも、池田の視界は2年ぶりの賞金王を見据えている。【益子浩一】