石川遼(27=CASIO)がバーディーなしの1ボギーで71とスコアを落としながらも、通算3アンダーの207で首位と3打差5位に踏みとどまった。選手会長就任1年目のシーズンを締めくくるツアー最年少での通算15勝目へ、逆転を狙う。堀川未来夢(25)Y・E・ヤン(46)黄重坤(26=ともに韓国)が6アンダーで首位に並んだ。

神経をすり減らす18ホールだった。石川のパーオン率は全体5位となる77・78%。3日間で最高の数字を記録したショットでグリーンを捉え続けながら、バーディーパットの多くがカップ数個分は曲がる難しいラインとなり、カップをかすめるたびに膝を折った。11番でボギーが先行。17番で3パットパーとした直後、難関18番は「直角に」曲がる3・5メートルを読み切ってパーセーブ。「最後の17、18番は体力的にも精神的にも、頭が疲れちゃっている感じだった」と息を吐いた。

選手会長就任1年目のシーズンも最終戦。スーツに身を包む仕事も一気に増え「ネクタイは鏡を見ずに結べるようになりましたよ」と笑う。プレーヤーとの両立で多忙な日々を送る中、欠かさない日課がある。米ツアー挑戦時から書き続けている「ゴルフノート」。腰を痛め、日々の患部の状態を記していく形で始まった日課だ。1冊、2冊と重ねていく中で技術的な要素の振り返りが増えていたが、会長職を担ってからは内容も変化。他人のことは書かず、ひたすら自らの内面と向き合う作業の結晶は、生涯、家族を含め誰にも見せるつもりはないという。

バーディーを奪えないフラストレーションのたまる1日も、文字にして書き出せば切り替えて翌日に臨むことができる。3打差以内に10人がひしめく混戦。「人数が絞られていない分、1人の選手が勝てる可能性も、確率でいえば下がる。誰が勝つか分からない。相当シビアな戦いになる。“1打”が大きい」と表情を引き締めた。【亀山泰宏】