主催者推薦で出場の稲見萌寧(もね、19=都築電気)が、ツアー初優勝を射程圏に捉えた。14位から出て5バーディー、1ボギーの67で回り通算3アンダー。首位と2打差5位で最終日を迎える。推薦出場から優勝すれば、日本人では98年カトキチクイーンズの上田珠代以来21年ぶり3人目の快挙。

推薦出場からの快挙へ、稲見が逆転Vを狙える位置につけた。前半に2つスコアを伸ばしてジワリと上位に顔を出した。後半の10番パー4で奥のカラーから8メートルのパットを沈めると、続く11番パー5では2オン2パット。9番からの3連続バーディーで19歳が一気に優勝争いに加わった。

「チャンスを頂いたら、絶対にものにしないといけないので。リランキングにひっかからないと(ツアー)後半戦の出場権をもらえない。出してもらった試合は必死に頑張る。毎試合が優勝を目指す勢いです」

昨年末のツアー出場を懸けた予選会は僅差で最終に進めず、QT103位でレギュラーツアー出場権を逃した。最大8試合ある推薦で結果を残し、後半戦の出場権を得ることが当面の目標。1戦1戦が生き残りを懸けた勝負。今季初出場となった前週に予選落ちしたことで、今大会で「稼ぐ」思いは一気に強まった。

「持ち球をドローからフェードに変えました。飛距離は落ちずに、振れるようになったので、調子がいい時は飛ぶようになった」

名前はフランスの画家「モネ」と同じ読み方をする。だが由来は「クロード・モネではないみたいです。世界に出ても外国の方から覚えてもらえるように付けてもらいました」という。睡眠10時間、練習10時間を続ける努力家。首位とは2打差だ。推薦から優勝なら88年のツアー施行後、日本人では92年肥後かおり、98年上田珠代以来3人目。夢は、手を伸ばせば届くところにある。【益子浩一】

◆稲見萌寧(いなみ・もね)1999年(平11)7月29日、東京・豊島区生まれ。9歳で競技を始め、12年関東小学生選手権、14年関東中学生選手権、15年東日本パブリックアマ優勝。ツアーは15歳で出場した15年中京テレビ・ブリヂストン10位、翌16年三洋電機レディース8位。昨夏のプロテストに合格。現在は日本ウェルネススポーツ大に在学。166センチ、58キロ。