17年の賞金女王、鈴木愛(25=セールスフォース)が自身初の2週連続Vと大会連覇を果たし、ツアー通算12勝目を挙げた。

5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの通算9アンダー、207。黄金世代の1人、高橋彩華(20)とのプレーオフにもつれ込んだが、1ホール目で退けた。今季3勝目で賞金ランキングもトップに躍り出た。

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鈴木は最後のパットを沈めると柔らかな笑みを浮かべた。黄金世代の高橋とのプレーオフ。相手が第1打を左の林に打ち込み、跳ね返ってラフに入れたのと対照的にしっかりフェアウエーをとらえた。2オンして重圧をかけると高橋は結局パー。10メートルのイーグルパットこそ外したものの、バーディーで勝負を決め「1位よりも2週連続は今までなかったのでうれしい」と納得した。

11番パー3で勝負に出た。ピンは左に切られていたが、第1打を同組の高橋、比嘉は安全策をとってグリーン右を狙った。「同じでは勝てない」。左に打ち出した球はグリーンを外したとはいえ、3ヤードを残した第2打を3メートルに寄せてパーをセーブした。「逃げないで攻めていこうと思った。12番から流れが良くなった」と自らの手で流れを引き寄せ、13番で首位に並んだ。

日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長の「金言」が支えになった。先週、サントリー・レディースの大会直前に「笑顔でいたら良いことがある」と言われた。最終日は第3Rの残りを含む28ホールを回る過酷な大会だったが、その言葉で乗り切った。この日も過去2勝4敗と苦手にしていたプレーオフを平常心で臨めた。「耐えれば自分の流れが来ると思えた。あの言葉は大きい。メンタルが強くなった」と話した。

来週のアース・モンダミン・カップ(千葉)から4日間開催の大会が3週続く。「若い世代は攻めの姿勢がすごく、勉強になる。しっかりケアして最高のプレーをしたい」とさらなる高みを見つめた。【松末守司】

<鈴木愛の使用クラブ>

▼1W=PING G410 LST(シャフト=PING ALTA JCB ロフト10・5度、長さ45・5インチ)▼3W=同 G410(14・5度)▼7W=PING G410(20・5度)▼UT=同 G400(22、26度)▼アイアン(6~9、PW)=同 i210▼ウエッジ=同 グライド2・0(50度、54度、58度)▼パター=同 VAULT ANSER2▼ボール=タイトリスト プロV1X