女子ゴルフで“黄金世代”を追いかける“ミレニアム世代”にあって、存在感を見せるのが安田祐香(19=大手前大)だ。昨年の日本人初のアジアパシフィック女子アマ優勝などアマチュアで多くのタイトルを獲得し、ツアー競技の予選落ちは出場22戦中1度だけ。新人離れした安定感を誇る19歳は「松山英樹+申ジエ」という理想像を目指していく。(取材協力・菊水ゴルフクラブ)

安田の理想の原点は7年前、男子ツアーにあった。13歳の中学1年生だった13年4月28日、兵庫・山の原GC開催のつるやオープン最終日、ボランティアで松山英樹の組についた。

首位と2打差2位で出た松山は圧巻の上がり4連続バーディーで優勝をさらった。その年、男子ツアー史上初めて、プロ転向1年目で賞金王になるゴルファーのプロ初優勝を間近で見た。「すごかったです。鳥肌が立ちました」。ショットで攻める。「かっこいいプレー」に魅了された。

松山が主戦場とする米国のPGAツアーも好きだ。国内、海外、男女すべてツアーの中で「一番興味がある」という。「インスタでフォローしてます。PGAの選手は“レベち”です」。レベち…レベルが違う。「みんながゲーム感覚で試合してるように見える。いろんな技術を持ってる。引き出しの多さですね」と説明した。

女子では、申ジエに目を奪われる。「常に上位にいる。優勝争いをしていたら“ああ勝ちそう”と思う。特にアプローチがすごい」。昨年6月のサントリーレディースの時、アプローチ練習場で密着した。約3メートル前で黙々とチップショットを繰り返す姿に見入った。

17年に日本女子アマ優勝、昨年は日本人初のアジアパシフィック女子アマ優勝、マスターズ開催コースで行われたオーガスタナショナル女子アマ3位。ツアーでも出場22戦で予選落ち1度とシード選手顔負けの安定感を見せてきた。

最終QTランク2位で迎える今季。「後半戦も出られるよう、前半戦で毎試合安定したプレーをしたい。その中で早めに1勝できれば」。将来の米ツアー参戦を視野に入れ、松山のような、申ジエのような強く、安定したスタイルを求めていく。【加藤裕一】

◆安田祐香(やすだ・ゆうか)2000年(平12)12月24日、神戸市生まれ。ゴルフは5歳から、7歳で坂田信弘プロ主宰「坂田塾」入り。滝川二2年の17年に日本女子アマ優勝、ナショナルチーム入り。19年アジアパシフィック女子アマで日本人初優勝を飾り、メジャー2戦に出場、いずれも予選通過。3月のオーガスタナショナル女子アマで3位。昨年のプロテスト4位合格。163センチ、53キロ。