国内女子ゴルフの宮里藍サントリーレディース(6月11~14日、兵庫・六甲国際GC)の中止が8日、発表された。新型コロナウイルス感染拡大による判断で、ツアーは開幕から15戦連続中止。サントリー所属の渋野日向子(21)は「今は我慢をする時」とコメント。渋野のホステス大会中止は第3戦Tポイント×ENEOS、第7戦KKT杯バンテリンに続く3戦目。渋野が前年優勝の資生堂アネッサレディース(7月2~5日、神奈川・戸塚CC)も同日、中止を発表した。

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早期の終息は難しく“ウイルスとの共存”が必至となった。状況は1年先も、そう変わらないかもしれない。ならば、日本ゴルフ界はツアー開催を前向きに検討する時期に入ったのではないか。

「3密」防止で、最も開催のハードルが低いスポーツだ。消毒、検温など安全確保を徹底。無観客開催。出場選手を最大130人前後になる夏場でも100人前後に。スタートはアウトのみのワンウエー、ハーフターンで待機しないスループレー。クラブハウスを封鎖し、選手はコース外で準備し、練習場も人数、時間を制限をする-。

選手と関係者の都道府県をまたぐ移動、主催者の重視するプロアマ戦を中止できるか、選手の不安は-など難問は残るが、競技だけを見れば道はある。韓国ツアーは14日に再開する。

華やかなトップ選手だけではツアーは成立しない。プロキャディー、協会外の運営スタッフらがいてこそで、その“弱者”はもう金銭的に崖っぷちだ。何より世間が「ゴルフが始まった」と何かを思い、感じることが、プロスポーツの役割。日本ゴルフツアー機構、日本女子プロゴルフ協会など業界トップに今こそリーダーシップを期待したい。【ゴルフ担当=加藤裕一】