ツアー開幕の見通しが立たない中、女子プロゴルファーはシーズンに向けた調整を続ける。日刊スポーツでは主要クラブメーカーの主な契約プロや、使用予定クラブを、クラブ調整のクラフトマン、プロ担当の目から随時紹介。 「クラブのプロが見たプロ」として、2020年シーズンの目標や注目ポイントを探る。第10回はブリヂストンスポーツ契約の吉田優利(20=エプソン)。

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ミレニアム世代では古江彩佳、安田祐香より、知名度は低いかもしれないが、吉田のアマチュア実績は申し分ない。18年に日本女子アマ、日本ジュニアの国内2大タイトルを手にした。

クラブ担当のクラフトマン(CM)は「タイプを表現するなら“頭脳派”ですかね。スイング、クラブへの探求心がとても強い。(JGAの)ナショナルチームで3年以上、過ごしたことがあるせいか、意識が高いです」と話す。

昨季は春先から左手の親指から手首付近を痛め、6月全米女子オープン出場後は2カ月近くクラブを握らなかった。復帰後、ドライバーにツアーB JGRを使った。負傷でスピン量が減ったため、ロフト角を上げるなどして弾道を調整。プロテスト合格→最終QT突破とツアー出場権獲得につなげた。

「苦しい時期を乗り越えて、よく頑張ってくれたと思います。同じ世代(で、契約メーカーが同じ)の古江さん、安田さんらの活躍も刺激になったんじゃないでしょうか」とCM。

スイング軌道、ヘッド入射角、打球の飛び出しなどを計測する機器トラックマンのデータには、他の女子プロより食いつく。CMは「例えば、もっと弾道を高くしたいとか『何をしたいか』を具体的な言葉で伝えてくる。リクエストが明確で、対応しやすい。見た目はふんわかした今どきの子だけど、やりやすいプロです」。負傷も癒え、飛躍に期待する。【加藤裕一】

◆吉田優利(よしだ・ゆうり)2000年(平12)4月17日、千葉県市川市生まれ。ゴルフは10歳から。16年後期からJGAナショナルチーム入りし、麗沢高3年の18年に日本女子アマ、日本ジュニアで優勝。昨年のプロテストに12位で合格し、最終QT20位で今季ツアー前半戦の出場権を獲得。日本ウェルネススポーツ大1年。師匠は辻村明志。158センチ、58キロ。

<吉田優利のブリヂストンスポーツ社クラブ>

▼1W=ツアーB JGR(ロフト角10・5度、シャフト=フジクラ スピーダー569EVO4、硬さS、長さ45インチ)▼ユーティリティー=ツアーB XD-H(3U21度、4U24度)▼アイアン=ツアーB JGR HF2(5I~PW)▼ウエッジ=ツアーB XW-F(52、58度)▼ボール=ツアーB X