ツアー通算38勝をサポート、今大会で鈴木愛のバッグを担ぐ清水重憲キャディー(46)の目。

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鈴木プロが2日連続の池ポチャをしました。

第2日と同じ9番パー3。昨日はアゲンストの風にやられましたが、今日は風はほぼ関係ありません。9番グリーンは以前、ほぼ円形だったのが、池を抱えるように左前から右奥に広がる形状に改造されました。

フェードヒッターにはやりやすい反面、鈴木プロのようなドローヒッターはイメージがわきにくい。左に逃げる選択もあるでしょう。しかし、鈴木プロは池越えにピンを狙った。トッププロならではのリベンジの意識を感じました。

やりにくいと言えば、5番パー4もです。鈴木プロは会見で「ティーグラウンドで立ちにくい」とこぼしたそうです。距離は328ヤードと短く、フラットで真っすぐ。多くのプロにはチャンスホールですが…。鈴木プロは徳島生まれ。四国にはアップダウンがあり、狭いコースが多い。フラットで広いホールを前にした時、ターゲットの絞りにくさを感じるのではないでしょうか。おまけに無観客で、ホールを囲うロープもない。プレッシャーのなさが、プレッシャー。トッププロらしいパラドックスがあるかもしれません。

久々のトーナメントもいよいよ最終日。無観客開催の難しさをもう一つ上げるなら、ラウンド中に順位を確認できるリーディング・ボードが少ない点。選手には、ボードを見たり見なかったりタイプの違いはありますが、キャディーはプロが求める情報を提供するため、全部のボードを確認します。ところが、例年なら14番あたりから全ホールにあるのに、14番ティー、15番と最終18番グリーン横だけしかない。自分たちの位置がリアルタイムで確認できず、戦い方は難しくなります。

しかし、条件はみんな同じ。単独首位の田中プロと4打差。最終組の1組前で、私たちがいかにチャージし、重圧をかけていけるか。久々の試合でヘロヘロになってきた体で力を振り絞り、鈴木プロの優勝のため、全力を尽くします。(プロキャディー)