8位で出た河本結(21=リコー)が、首位と2打差の4位に浮上し、今季から主戦場の米女子ツアー初優勝に大きく近づいた。2バーディー、1ボギーの71で回り、通算3アンダー、141。新型コロナウイルス感染拡大による約5カ月半の中断からツアー再開初戦となった、新設の3日間大会で逆転優勝に挑む。通算5アンダーのダニエル・カン(米国)ら3人が首位。野村敏京は通算8オーバーの86位、山口すず夏は同11オーバーの114位で予選落ち。畑岡奈紗や韓国の有力選手は出場していない。

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我慢の連続に耐え、河本がスコアを1つ伸ばしてホールアウトした。2日連続アンダーで回ったのは、出場132人の中でも2人だけ。「コースが難しくて、なかなかチャンスをつくることができない中、ボギーを最小限に抑えられた。しのいで我慢のゴルフができたのは、すごく自信になった」と、収穫を口にした。「黄金世代」と呼ばれる、同じ98年度生まれとしては畑岡奈紗、渋野日向子に続く3人目の米女子ツアー優勝へ、逆転圏内につけた。

前半の3番パー3でティーショットをミスしてボギーをたたいたが、直後の4番パー4でバーディーを奪い返した。「3番のボギーでイライラすることもなかった。4番で取り返すことができて、すごくリフレッシュできた」と、終始前向きな精神状態でプレーを続けた。この日は15ホールがパーだったが「すごくいいパーも拾えた」と、途中から本格的に降り出した雨にも左右されなかった。その中で13番パー5で2つ目のバーディー。「いい感じに打てた」と、3メートルを沈めたパットの感触も上向きだ。

今季初戦で、米国でのツアーデビューとなった1月のゲインブリッジLPGAで8位に入った。だがオーストラリアに移動して臨んだ、その後の2大会はともに予選落ち。その後、米女子ツアーは約5カ月半も中断していた。初優勝がかかる最終日は雪辱の舞台でもあるが「今こうして、ここでゴルフをできている幸せを、ものすごく感じています」と初心に帰り、世界トップレベルで戦える喜びの思いが強く気負いはない。

「日本で取り組んできたことの成長も感じた1日だった」。7月14日に日本を出発し、米国ではフロリダ州の知人宅を借りて2週間の自主隔離生活。練習もできる環境で、日本で取り組んだ課題を復習するゴルフ漬けの日々を送った。「最後まで楽しんで、精いっぱいプレーできれば」。注目のツアー再開初戦で、主役となるチャンスを得た。