初日で7オーバーの78位タイと出遅れていた石川遼(29=CASIO)が6バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの67で回り、通算4オーバー、144の39位タイで4年連続の予選落ちを回避した。ダブルボギーを3つたたくなど精細を欠いた初日からスイング時の構えやアプローチの狙いどころを修正。首位と7打差で3日目へ向かう。18年の全面改修後のコースレコードタイの7アンダー、63で回った木下稜介(29=ハートランド)ら3人が通算5アンダーで首位に立った。

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石川が意地をみせた。アウトから発進し、2番で約4メートル、3番で約3メートルのパットを沈めてさっそくの連続バーディー。「今日はすごくラインが見えた」と後半もパットがさえ、13、15番に続き最終18番でも下りの約3メートルのバーディーパットを沈めて3アンダーでフィニッシュ。通算4オーバーの39位タイとし、ここ3年間苦しんでいた大会で久々の予選突破を果たした。

初日はボギーとダブルボギーを3つずつ喫するなどして7オーバー。10年、12年に同大会を制した本来の姿はなかった。それでも「ここでこのコースがダメだと思ったら負けかなと思った」。パーオンできなかった時の強気のアプローチがスコア悪化の要因だと分析し「自分が気づいていないリスクがこのコースにはある」と勝負どころでは冷静に攻めた。スイング時の体の向きなども細かく微調整。ドライバーのドローもきれいに決まり「今までで一番良い感じ。明日も楽しみです」と手応えも口にした。

首位までは7打差でジャンボ尾崎に並ぶ3度目の優勝はいまだ厳しい状況。それでも「てっきり得意コースだと思っていた」と話す舞台で、復調の兆しをみせたことは大きい。「残り2日間ある。気持ちを締めて頑張りたい」。自信をつかんだ石川に笑顔が戻ってきた。【松尾幸之介】

▽コースレコードタイの63で小斉平らと並ぶ首位タイに立った木下 完璧なプレーができて幸せです。まだ2日目なので、優勝は意識せず楽しんでやっていきたい。

▽大学の先輩松山のマスターズでの活躍に刺激を受けた10位の金谷 朝起きたらやっていたので見てました。(松山の4アンダー、68は)さすがだなという気持ちです。